蜂窩織炎(ほうかしきえん)のハナシ
蜂窩織炎(ほうかしきえん)をご存じでしょうか。
昆虫の蜂とは関係ありません。人間の表皮の下にある、真皮から皮下脂肪組織に細菌が増えて炎症を起こす病気です。
炎症を起こした組織が顕微鏡で蜂の巣のように見えることから、名前が付けられました。蜂窩織炎は高齢者や免疫力が低下した人が罹りやすい、身近な皮膚の病気です。
蜂窩織炎が起こりやすい場所、起こる原因
起こりやすい場所は膝から下です。
引っ掻き傷などの小さい傷から、菌が入ると起こります。足に水虫があると皮が剥けて傷ができ、そこから菌が入ることもあります。
むくみも蜂窩織炎を起こす要因です。
むくんだ部位は皮膚が薄く弱くなり、傷が付きやすいからです。むくんだ部位は老廃物が溜まるため、より細菌が増えやすくなります。
とても怖い蜂窩織炎の症状 ~激痛、高熱に苦しむこともある~
蜂窩織炎は、とても怖い病気です。
患部に起こる主な症状 … ①痛み ②腫れ ③熱を持つ ④水ぶくれ ⑤むくみ等
痛みは非常に強くなることがあり、屈強な力士も歩けなくなるほどです。
(*力士は足に傷がつき、罹りやすい)
また全身症状として、①時に40度近い発熱 ②強いだるさ ③関節痛や頭痛が起こるため、体調も悪くなってしまいます。
蜂窩織炎の治療 ~治療期間は5~14日間だが、1ヶ月近くかかることも!~
細菌を死滅させる抗生物質を使います。
炎症が重度だと飲み薬では済まず、点滴をするため入院が必要です。
炎症の部位を安静にして冷やし、むくみを防止するため高く挙げておきます。痛みや炎症がある時は湯船に入らず、シャワーだけにします。
蜂窩織炎を予防するためには
- 皮膚を清潔にし保湿する
皮膚が乾燥して痒みが起こると、掻き傷から菌が入ることがあります。お風呂上がりなどに皮膚にクリームを塗って保湿すると良いです。 - 皮膚が傷つく病気を治す
水虫や巻き爪などは、早めに皮膚科医に相談を。 - むくみ防止
足を高く挙げる。
むくみ予防の靴下を履く。
※むくみを起こす病気のある方は、かかりつけ医に相談しましょう。
今回は、聞き慣れないけれど怖い病気「蜂窩織炎」のお話でした。
皮膚の病気と油断せず、予防に努めましょう。