松陰神社前のエビグラタン【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第29話】

松陰神社前のエビグラタン【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第29話】
東京の世田谷で介護の仕事をしている清水です。
【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】第29話は、松陰神社の目の前にある人気ビストロのランチをご紹介します。
さて、本日は世田谷の人気イベント”ボロ市”の様子をお届けしながら、グルメレポートを交えていきたいと思います。
大賑わいの人気イベント 世田谷のボロ市
世田谷のボロ市は、12月15日・16日、1月15日・16日の計4日間だけ開催されている世田谷を代表するイベントです。
東急世田谷線の上町駅から徒歩5分ほどの場所にある”代官屋敷”を中心として、たくさんの露店や屋台が軒を連ねます。
出店で売られているのは、雑貨や食品、衣類、骨董品など。
いわゆる、蚤の市ですね。
このボロ市に掘り出し物を目当てにやってくる来場者の数は…
なんと、1日で20万人!? ※世田谷区ホームページより
世田谷屈指の集客力を誇る人気イベントです。
ボロ市の起源は、安土桃山時代にまで遡ります。
かつて、この地で月に六度行われていた楽市は、”六斎市”と呼ばれていました。
その後、1590年に北条家が滅亡して世田谷城が廃城になると、その六斎市は年末に一度行われる”歳の市”へと変化していったそうです。
そして、明治20年代になって、古着やボロ布が歳の市で主に扱われるようになったことから、”ボロ市”と呼ばれるようになりました。

世田谷のボロ市はバケモノか
2025年1月15日(水)のことです。
その日、たまたま自転車でボロ市の開催場所を通りがかった私は、あまりの人の多さに唖然としてしまいました。
噂には聞いていましたが、こんなに人手が多いとは…
ただただ、驚くばかり。
その集客は、私がイメージしていた3倍を遥かに超えています。

世田谷通り沿いには、人が溢れています。
ちょうどお昼時とあって、周辺の飲食店はどこもかしこも行列だらけ。
流浪のランチ難民
この日の私は、前日に引き続きモニタリングを配布するため、世田谷中を自転車で走り回っていました。
そして、その足でブログの取材をしようと上町駅の周辺までやってきたのですが、どこのお店も長蛇の列。
『いったいどこまで行けば、人波は途切れるんだ?』

そのまま世田谷通りを東へ、東へと進みます。
2駅隣の松陰神社の参道入口までやってきたところで、ようやく人の数が減ってきました。
しかし、この松陰神社通り商店街のお店が決して空いている訳ではありません。
あくまでも世田谷通り沿いにあるお店より、行列が少ないだけです。
『どこかに腹ペコの自分が潜りこめるお店はないのか?』
世田谷線の踏切を渡って、ひたすら自転車のペダルを漕ぎ続けます。
商店街の中に良さそうな店はたくさんあるものの、やはり行列がネックに。
結局、松陰神社までやってきてしまいました。

ついに、オアシス発見!
『今日はもうダメか…』
諦めて来た道を引き返そうと、自転車を方向転換した時のこと。
目の前にビストロの文字が飛び込んできました。
『んっ!?』
松陰神社に気をとられ、あやうくこのお店をスルーするところでした。
ようやく見つけたオアシス、しかも名前はヘルパーの相棒!
『ここだ、ここしかない!』
店内は満席のようで、ちょうど女性2人が並ぶところでした。
でも、乗り掛かった船は、ちょっとやそっとじゃ止まりません。
ちょうどお店の人が外に出てきたので、駐輪場所を相談して了承をもらいました。
そのままベンチに座ってしばらく待っていると、食事を終えたお客さんが外に出てきました。

待っていた予想外の試練
私が入店したのは、東急世田谷線の松陰神社前から徒歩6分ほどの場所にある【ビストロ サイクル】です。
こぢんまりとした店内は、とても素敵な雰囲気。
歩を進めるうちに、私はふとあることに気付きました。
『女性客しかいない…』
いつぞやの宮の坂駅のピザ屋さんと同じ状況です。
■宮の坂のちょこっとピザ【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第14話】
女性客に狼狽した挙句、スプーンを落としたり、注文を急に変更したりと、過去記事にはしくじりエピソードが多数あります。
ようやく辿り着いたオアシスには、嬉しい…
じゃなくて、”厳しい試練”が待ち受けていました。
しくじりヘルパー、俺みたいになるな!!
『もうこれ以上の醜態はさらせない…』
今回のグルメレポートは、そんな背水の陣の心境に。
とにかく、慌てず、騒がず、落ち着いて。
案内されたカウンター席に座り、ゆっくりと深呼吸。
幸い、すぐ正面の厨房には男性のオーナーシェフがいます。
『よし、大丈夫!』
では、ひと息ついたところで、ランチメニューを拝見。
どうやら、このお店のランチは、プレフィックススタイルのようです。
さっそく、あれこれと頭の中で組み合わせるシミュレーションを開始。
結果、メインとデザート、ドリンクのセットを以下のようにオーダーしました。
メイン:海老とほうれん草のグラタン
デザート:ショコラテリーヌ
ドリンク:ホットコーヒー
それから、セットにはスープとバケット(またはライス)がつきます。
食べたことがありそうでない逸品揃い

まず、最初に提供されたのは、かぼちゃのスープとバケット。
スープの中心にはベージュ色をしたムース状のものが乗っています。
『これはいったい何だろう?』
と考えながら、スープをひと口…
『こりゃあ、ウマい!』
かぼちゃの甘みと旨みがしっかりと感じられる濃厚なスープです。
さらに、スープに乗っている泡状のムースは、”ビシソワーズ”に似た味がします。
ゆえに、素材はじゃがいもで、スープ同士が混ざらないよう、”エスプーマ=泡”にしているのではないか?と推測しました。
まぁ、ガクト様のような”神の舌”を持っている訳ではないので、間違っていたらごめんなさい。

次にやってきたのは、メインの海老とほうれん草のグラタン。
これ以上ないくらいに、”アツアツ”です。
そして、こちらもひと口食べてビックリ。
海老の身が固形ではなく、”繊維状”になっています。
それゆえに、どこを食べても甲殻類独特の旨みが口の中に溢れてくるのです。
身をほぐしやすいカニではなく、あえて海老でやっている点が素晴らしい。
ちなみに、ビストロらしく、お酒に合うように塩気はちょっと強め。
『困ったなぁ〜 飲みたくなっちゃうよ』

はじめてのスイーツ体験
ラストは、デザートのショコラテリーヌ。
文字通り、チョコレートでできたテリーヌです。
スイーツは好きでいろいろ食べていますが、これは初めて。
パクリ。
『うん、いいね〜』
フォンダンショコラに比べて、口当たりは実に滑らか。
硬すぎず、柔らかすぎず、官能的とも言えるきめ細やかな食感。
未体験ゾーンに突入して、アラフィフのおじさんは完全にノックアウト状態。
総じて、料理のレベルが高いと感じました。
これまで食べてきた約30店鋪の中で、トップクラスの味わいです。
夢中で食べたせいか、周りが女性ばかりなのは全く気になりませんでした。

幕末の獅子を育てた教育者
食事を終えた後、散歩がてら向かいの松陰神社でお参りしてきました。
松陰神社は、その名の通り”吉田松陰”が祀られています。
吉田松陰は松下村塾を設立し、明治維新で活躍する伊藤博文や高杉晋作、木戸孝允らを輩出しました。
しかし、尊王攘夷派の松陰は、江戸幕府の大老井伊直弼に弾圧されます。
そして、安政の大獄により、1859年に30歳の若さでこの世を去りました。
一方、井伊直弼も翌年の1860年に桜田門外の変で暗殺されてしまいます。
その井伊直弼の墓は、同じ世田谷区内の豪徳寺の境内にあります。
松陰神社から豪徳寺まで、歩いて30分ほど。
吉田松陰と井伊直弼のゆかりの場所を訪ね、幕末の歴史ロマンに思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。
それでは、また次回の【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】でお会いしましょう!
【店舗情報】
店 名:ビストロ サイクル
住 所:〒154-0023 東京都世田谷区若林4-27-12
電 話:03-6805-2517
時 間:11:00~22:00
※営業時間は変更になることがあります
定休日:月曜日
リンク:ビストロ サイクル 食べログ
※2025年1月15日現在