○○しながら、△△する
今回は、心身の健康維持に役立つ「二重課題」の紹介です。
二重課題とは「○○しながら、△△する」のように、二つの作業を同時に行うことです。二重課題を行う能力を鍛えると、次のような良い効果があります。
<転倒予防>
転倒する原因といえば、足腰の力が弱る事や、バランスを保てないことを想像するのではないでしょうか。このような運動機能の衰えだけでなく、二重課題を行う能力の低下も転倒の原因です。脳には、注意力を配分する機能があります。高齢になるとこの機能が低下し注意力不足による転倒が起こります。
例えば「何か考え事をしていて、段差に注意が向かず、つまずく」といったような転倒です。二重課題のトレーニングをすると、注意力を配分する機能を鍛えることができ、転倒予防につながります。
<認知症予防>
二重課題のトレーニングを週2回8週間続けた高齢者のグループと、何もしなかったグループを定量的に評価した研究では、前者の方が有意に、身体機能・認知機能が向上したという結果がでています。この結果は一般の高齢者を対象にしているため、二重課題のトレーニングをすると認知症が治ることは証明されていませんが、発症や進行を遅らせる効果があると期待されています。
この二重課題のトレーニング、1つは「体を使う課題」もう1つは「頭を使う課題」にするのがコツです。
◎ 歩きながら、言葉を思い出す
歩きながら頭を使う課題、何かテーマに沿った言葉を思い浮かべることをします。
(例:野菜の名前、“あ”で始まる都道府県など)
一緒に歩く相手がいる場合、話をしながら歩くのも良いです。室内を歩くのが精一杯という方は、座って足踏みをしながら、同じようなトレーニングを行ってみましょう。
◎ 家事をしながら、歌う
運動は面倒だな…という時は、家事の中に二重課題のトレーニングを取り入れましょう。洗濯物を畳みながら歌う、掃除をしながら歌うトレーニングはいかがでしょうか。また、料理は同時に2つの作業を行うことが多いため、それだけでも二重課題のトレーニングになります。
これから暖かくなってきますので、ぜひ二重課題も意識してみてくださいね♪