ジェンダーステレオタイプ
突然ですが、クイズです。
Question —
父親と息子が交通事故に遭い、父親も息子も重症。息子はある救急病院に担ぎ込まれた。当直の外科医は意識不明の少年を手術室に運びながら、『おお、神様。私の息子を助けてください!』と叫んだ。
さて、医師と負傷した少年の関係は?
いかがでしょうか。
— 少年には、義理の父親がいた?
— 父親の幽霊が現れた?
外科医といえば「白い巨塔」の財前医師を思い浮かべた方には、分からないかもしれません。
正解は「母親と息子」です。
外科医=男性ではありませんよね。言われてみれば当たり前なのですが…
このような「男性や女性が持っている画一的な特徴についての思い込み」をジェンダーステレオタイプといいます。
身近なジェンダーステレオタイプには、こんなものもあります。
『男性 = 青や水色』『女性 = 赤やピンク』というものです。
先日、弊社でも混乱する出来事が起こりました。
ホームナーシングモア(訪問看護ステーション)の看護師は、ピンクのポロシャツを着ています。株式会社moreの設立時、まだ訪問看護ステーションはなく、介護スタッフは黒のポロシャツを着ていました。これには、「ご利用者様の黒子に徹する」という意味があります。その後訪問看護ステーションを立ち上げるにあたり、ステーションのロゴマークをピンクにしたこと、看護の優しいイメージにもピンクが合うことから、ピンクが選ばれました。そして訪問看護ステーションのリハビリ職は、水色のポロシャツを着ることになりました。
今までホームナーシングモアには、女性の看護師と男性のリハビリ職しか在籍していませんでした。そのため女性がピンクで男性が水色、というジェンダーステレオタイプに合致していたのです。
ところが7月に男性の看護師と女性のリハビリ職が同時に仲間に加わりました。やはりピンクは女性のイメージが強い色で、看護師という職業も女性のイメージが強い。男性看護師を見て、ご利用者様が「あれ、ピンクは女の人じゃなかったの?」とおっしゃることもありましたし、スタッフにも戸惑いがありました。
ところが…2か月が経ち、彼らが仕事に慣れてくるにつれて、すっかり気にならなくなりました。
ジェンダーステレオタイプに限らず、私達が「〇〇に違いない!」と思い込んでいることは、皆様の身近にもあるのではないでしょうか。
フィルターを取り払ってみると、新しい発見があるかもしれません。
例えば「もう年だから…」と思い込んで尻込みしていた、新しいことに挑戦してみるのはいかがでしょう?
小さなことからで構いません。ピンクのポロシャツのように、尻込みしていた明るい色の服を身に着けるだけでも、気持ちが明るくなりますよ。