端午の節句
5月になりました。風も爽やかで本来であればアウトドアに最適な季節ですが、今年はコロナウイルスの影響でゴールデンウィークも外出は自粛要請されています。皆さんの努力により少しずつ感染者数も減少してきたようにも見えます。油断せずにもう少し我慢して一日でも早く以前のようなにぎやかな、平和な日常が戻るようにがんばりましょう。
さて、5月になると思い出されるのは端午の節句です。もともとはなんと女性が行っていた行事らしいのです。若い女性たちの穢(けがれ)を払う風習があり、その時に邪気払いの力があるとのことで菖蒲が使われていました。そしてその「菖蒲」が武道を重んじるという意味の「尚武(しょうぶ)」に転じ、縁起が良いと武士の間に広がり、やがて庶民にも広がったと言われています。このようなことから端午の節句自体が男の子の誕生や成長を祝う行事とされるようになっています。
5月人形として兜や甲冑、鎧を飾るのは、イメージ通り男の子が病気や事故などの災厄を逃れて力強く成長するように身を守るためのお守りとしてです。そして兜や甲冑、鎧は身に着けた個人を守るものですので、代々受け継いだり、兄弟で共用したりするものでもないようです。一人に一つ用意するのが良いと言われています。
最近ではお家で揚げることも少なくなっている鯉のぼりですが、中国の故事がもとになっています。急流の黄河に龍門と呼ばれる滝があり、これを登りきると鯉は龍になると言われています。このことから鯉のぼりは男の子の出世を願うものであるとされています。ちなみに成功への関門と言う意味で使う「登龍門」とはここからきています。また鯉は汚れた水でも生きていけることから劣悪な環境でも負けずに生き抜いて成長して欲しいとの願いもあります。
そして私が個人的に大好きな柏餅です。柏の木は落葉樹ではあるものの古い葉は、翌年新しい葉が出るまで木に残っており、新しい葉に押し出されるように落ちていきます。この様子が代が途切れない、代々続いていく、子孫繁栄を表しています。 そして柏の木自体も寒さや風に強く、道東では林の一番外側の風当たりの強いところに立っていることが多いです。この強さも柏が使われる一因ではないのでしょうか。