二子玉川の麻婆豆腐【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第31話】

二子玉川の麻婆豆腐【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第31話】
東京の世田谷で介護の仕事をしている清水です。
【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】第31話は、二子玉川ライズにある人気町中華の麻婆豆腐をご紹介します。
さて、グルメ記事の前に、いつものように介護の豆知識からまいりましょう。
本日のテーマは”褥瘡(じょくそう)”です。
本当は怖い褥瘡
この褥瘡という言葉、読者の皆さんはご存知でしょうか?
恥ずかしながら、私は介護業界で働くまでこの言葉自体を知りませんでした。
褥瘡とは、いわゆる”床ずれ”のことです。
「なんだ、床ずれか」と、決して侮ってはいけません。
この褥瘡は、介護に携わるヘルパーが”転倒事故”と同じぐらい注意している事象なのです。
その理由は、褥瘡が重症化すると、最悪の場合には死亡事故になる可能性があるからです。
「えっ!? どうして床ずれでそんなことになるの?」と、不思議に思われるかも知れません。
この記事では、これから高齢者の介護を始める、もしくは始めたばかりのご家族様に向けて、褥瘡の恐ろしさとその対処方法についてお伝えしたいと思います。
褥瘡についての理解を深める
褥瘡は、ベッドでの寝たきりや椅子に座ったままの生活など、同じ姿勢で長時間過ごすことによって発生します。
具体的には、長時間にわたって体重で圧迫され続けた部位は血流が悪くなり、皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。
その結果、皮膚が赤くなったり、傷ができてしまうのです。
身体が健康であれば、寝返りを打ったりして、無意識のうちに褥瘡を予防する”体位変換”を行なっています。
しかし、さまざまな理由により身体機能が低下し、自力で体位変換することが難しくなってくると、褥瘡が発生する可能性が高くなります。
なお、褥瘡のケアは医療行為にあたるため、介護ヘルパーは処置が行えません。
発生させないために行う体位変換は、介護ヘルパーが実施できます。
褥瘡の重症度レベル
褥瘡の重症度は、一般的に褥瘡の深さ(深達度)でレベル分けされています。
そのレベル分けはさまざまな機関による分類方法があります。
今回は医療現場で現在広く使われているNPUAP/EPUAP分類をご紹介します。
※NPUAP(米国褥瘡諮問委員会:National Pressure Ulcer Advisory Panel)
※EPUAP(欧州褥瘡諮問委員会:European Pressure Ulcer Advisory Panel)
ステージ | NPUAP分類 |
Ⅰ:消退しない発赤 | 消退しない発赤を伴うが、皮膚は損傷していない状態 |
Ⅱ:部分欠損 | 真皮が部分的に欠損して水ぶくれやびらん等がある状態 |
Ⅲ:全層皮膚欠損 | 皮膚組織が欠損して、皮下脂肪が露出した状態 |
Ⅳ:全層組織欠損 | 皮下組織が欠損して、骨や腱、筋肉まで露出した状態 |
深部組織損傷疑い | 皮膚表面が紫色や栗色で、皮下の軟部組織が損傷した状態 |
判定不能 | 皮膚組織が完全に欠損し、黒色や黄色に壊死した状態 |
褥瘡が重症化すると、皮膚の穴が深く大きくなり、骨が露出することもあります。
皮膚本来のバリア機能が失われた状態は、生命を脅かす感染症のリスクが増大します。
そのため、褥瘡の早期発見と早期治療が必要なのです。
褥瘡になりやすい部位
身体の中には褥瘡ができやすい場所があります。
褥瘡は、骨が出ていて体重がかかりやすい部位、皮下脂肪が少ない部位に多く発生します。
お尻のすぐ上にある仙骨や股関節の横にある少し出っ張った大転子、かかとなどは、褥瘡になりやすい代表的な部位です。
また、褥瘡が発生する可能性がある”意外な部位”をひとつ挙げると…
それは、耳です。
仙骨や大転子に比べると発生率は低いものの、横向きに寝る側臥位(そくがい)の状態だと、突出した耳が圧迫されて褥瘡になることがあります。
知っておきたい褥瘡の発生リスク
高齢者と若年者で比べると、高齢者の方が褥瘡になりやすいです。
その理由をいくつか列挙してみます。
・加齢による筋肉量の減少、皮膚が薄くなる
・食事量の減少により低栄養状態になりやすい
・体動や運動量の減少により同じ姿勢で過ごす時間の増加
・尿や便失禁など、皮膚の刺激物にさらされる機会の増加
・催眠鎮静剤や抗不安剤薬剤、解熱鎮痛消炎剤、利尿剤等の薬による副作用
また、一般社団法人 日本褥瘡学会は、以下の疾患を褥瘡発生の”危険因子”として注意喚起しています。
・うっ血性心不全、骨盤骨折、脊髄損傷、糖尿病、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患
・悪性腫瘍、アルツハイマー病、関節リウマチ、骨粗鬆症、深部静脈血栓症、パーキンソン病、末梢血管疾患、尿路感染症
褥瘡の予防方法
最後に、褥瘡の予防方法をお伝えします。
まず、長時間身体の同じ部分を圧迫しないよう、体位変換を行うことが基本です。
身体機能が低下した方の排泄介助や体位変換は、ご家族様の負担が大きいため、ヘルパーのニーズが高いです。
ご利用者様によっては、1日3回(朝、昼、夕)サービスを行う場合があります。
また、エアマットレスやクッションなどを利用して体圧を分散させることで、褥瘡発生率の低下が期待できます。
そして、低栄養状態だと褥瘡が発生しやすくなります。
現在の栄養状態をチェックし、必要に応じて改善を行います。
経口での栄養摂取が難しい場合は、鼻や胃から栄養を摂取する”経鼻経管栄養”や”胃ろう”、点滴で栄養を摂取する”静脈栄養”などを行います。
褥瘡は短期間で発生、進行する場合があります。
そのため、排泄や更衣、入浴の時などに皮膚の状態を観察することが大切です。
以上、本日は褥瘡をテーマに、身体への影響や発生要因、予防方法等についてお伝えしました。
それでは、ここからはグルメ記事に突入します。
本日ご紹介する飲食店は、東急田園都市線の二子玉川駅の改札から徒歩1分の場所にある【酒と飯 香味】です。
ゲレンデがとけるほど、熱い麻婆が食べたい!
『寒い、寒いよ…』
1月の終盤、寒気の影響で多摩川沿いに冷たい風が吹く日が増えました。
自転車で移動するヘルパーにとって、夏の暑さと冬の寒さはかなり堪えます。
『こんな日は、身体の中から温まるしかない!』
と思い立ち、ランチに向かった先は二子玉川駅。
お目当ての香味は、モアのデイ・サービスで働いていた時、仕事帰りによく寄っていた中華料理店です。
山椒の痺れる辛さがたまらない”四川麻婆豆腐”なら、凍てつく冬の寒さを吹き飛ばしてくれるに違いありません。

12時ちょっと前にお店に到着。
『アレ? お店が暗い…』
それもそのはず、入口に”12時15分から営業”との案内文が掲示されていました。
夜営業の満席&行列が当たり前のお店ですが、この時点で待っている人はゼロ。
かつて足しげく通ったお店でも、ランチタイムの訪問は初めて。
『昼はそんなに混雑しないのかも』
そんな風に思って、その場を一旦離れました。
そして、開店時間に合わせて戻ってみると…
いつの間にか10人ぐらい並んでいてビックリ仰天。
揺れる、廻る、振れる、マイオーダー
慌てて相棒の自転車を店の前に停め、行列の最後尾へ。
ほどなくお店のドアが開き、中に人がなだれ込んでいきます。
私は、最後に残ったカウンター端の席に何とか座ることができました。
そして、ランチのメニューを拝見。
『んっ? ええっ!?』
席を確保して安堵したのも束の間、ここで大誤算発生。
なんと、ランチメニューに四川麻婆豆腐がありません。
『これはしたり!』
料理が少なくなっている代わりに、夜営業にはないセットメニューがあります。
そして、本命不在により、ここから迷走がスタートします。
『ここのチャーハン、絶品なんだよな〜』
『いや、ボリューム抜群の唐揚げも捨てがたいよな〜』
『待てよ、ラーメンに半チャーハンと唐揚げがつく香味セットも惹かれるな〜』
どの料理も旨いのを知っているだけに、気持ちが激しく揺れ動きます。
グルメの神様、この皿でしょうか?
何はともあれ、注文する料理を決めなくてはなりません。
『そうだ、今日は麻婆豆腐を食べにきたんだ』
激辛の四川はなくとも、デフォルトの麻婆もかなり辛かった記憶があります。
迷ったら”最初に決めたこと”に従うのが吉。
結局、麻婆豆腐定食をオーダーすることにしました。

そして、目の前に麻婆豆腐が提供されると、テンションは最高潮に。
思わず、脳裏にあの歌が流れ始めます。
Mapo and rice 幸せの食感 きっと辛さを感じてる♪
Right or wrong グルメの神様 この皿でしょうか?

ひと口食べてみて、自分のカラダが”麻婆豆腐モード”になっていたと確信。
「あえて言おう、正解であると!」
山椒の痺れる感じこそないものの、旨辛の餡がやはり美味い。
そして、その辛味で豆腐やお米の甘さが引き立つことと言ったら。
火が点いた胃袋は、”暴走モード”に突入。
ご飯に麻婆豆腐をかけては食べる、かけては食べるをひたすら繰り返し、見る見るうちに料理が減っていきます。

DINNER…again
そして、10分もかからずに麻婆豆腐定食はすべて胃袋の中へ。
いい汗をかいてスッキリした上に、お腹も心もポカポカしてきました。
こんな風に食事に没頭する時間は、何よりのリフレッシュタイムです。
ごちそうさまでした。
ちなみに、この日仕事を終えて帰宅すると、晩ごはんは麻婆豆腐でした。
第29話でエビグラタンを食べた日も、晩ごはんがエビグラタンでした。
■松陰神社前のエビグラタン【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第29話】
もちろん、ランチで食べたなんて言わずに、どちらも残さずいただきましたよ。
でも、こんな不思議な偶然ってあるんですね…
それでは、また次回の【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】でお会いしましょう!
【店舗情報】
店 名:酒と飯 香味
住 所:〒158-0094 東京都世田谷区玉川2-23-1 二子玉川ライズ オークモール 1F
電 話:03-3700-6971
時 間
昼 :11:45~14:30 (L.O.14:00)
夜 :18:00〜21:30(L.O.21:00)
※営業時間は変更になることがあります
定休日:日曜日
リンク:酒と飯 香味 食べログ
※2025年1月31日現在