千歳船橋の農大かつ丼【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第12話】
千歳船橋の農大かつ丼【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第12話】
東京の世田谷で介護の仕事をしている清水です。
【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第12話】は、東京農業大学の学生に人気の”大盛かつ丼”をご紹介します。
さて、グルメ記事の前に、世田谷区に拠点がある東京農業大学をご紹介したいと思います。
稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け
東京農業大学の起源となった徳川育英会育英黌農業科を創設したのは、逓信、農商務、文部、外務の大臣などを歴任した榎本武揚です。
榎本の招聘で明治農学の第一人者である横井時敬が評議員として参画し、1911年(明治44年)に横井は私立東京農業大学の初代学長に就任しました。
横井時敬は実学を重視し、”稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け”などの言葉を残したとされています。
つまり、介護のことはヘルパーに聞け、と言うことですね。
現在の東京農業大学のメインキャンパスは、私が所属している訪問介護事業所と同じ世田谷区桜丘にあります。
※神奈川県厚木市と北海道網走市にもキャンパスがあります
桜丘の地名どおり、春になると大学そばの千歳通りは素晴らしい桜が楽しめます。
そして、東京農業大学と言えば、忘れてはならないのが”収穫祭”です。
世田谷を代表する学園祭
収穫祭は、毎年秋に行われる東京農業大学の学園祭です。
大学発表によると、前回の2023年度は約10万人もの来場者があったそうです。
それにしても、すごい人出ですね。
見どころは東京農大のサークルや研究室、部活が日頃の活動の様子を発表する文化学術展。
また、食材の即売や食べ物を販売する模擬店も人気です。
定番のフランクフルトやたこ焼きなどに加えて、”馬肉の鉄板焼き”を提供する模擬店もあるようです。
さらに、世田谷と厚木キャンパスの学生が合同して開催する体育祭にも注目です。
受験浪人時代の思い出
実は、東京農業大学には個人的な思い入れがあります。
私は地元福島の高校を卒業後、東京で1年間の受験浪人生活を送りました。
その時に通った予備校で、同じクラスになった友人が農大OBなのです。
勉強に集中するために実家を出たので、予備校で友人を作らないつもりでした。
でも、彼とは何となくウマがあったらしく、いつの間にかお昼を一緒に食べるようになっていました。
恩人は樹木医
群馬の進学校出身の彼は、右も左も分からない私に、おすすめの予備校講師や参考書、勉強方法についていろいろとアドバイスをしてくれました。
彼のサポートが無かったら、志望校に合格することは出来なかったと思います。
最終的に、彼は実家の造園業を継ぐため、東京農業大学に進学しました。
大学卒業後、京都で樹木医の修行を積み、現在は実家のある群馬県前橋市で庭師として活躍しています。
社会人になってから音信が途絶えていましたが、10年ほど前にSNSで繋がり連絡を取り合うようになったのです。
さて、その友人が学生時代に行ったかもしれない有名店を本日ご紹介します。
小田急線の千歳船橋駅から徒歩20分ぐらい離れた場所にある【とんかつ 天ぷら 山之内】です。
農大の学生御用達の店
山之内さんは世田谷通りに面しています。
近くには馬事公苑があり、緑の多いエリアです。
自転車でこのお店の前を通った時に感じる、ただならぬオーラ。
その外観にお店の歴史と風格が滲み出ています。
ドキドキしながら扉を開け、白いのれんをくぐって入店。
農大のすぐそばにあるため、店内には大学のペナントがたくさん飾ってありました。
『こういう学生が通う店の雰囲気、ホントにいいなぁ』
私が通った大学にも、学生御用達のお店はたくさんありました。
なんだか学生時代にタイムスリップしたような不思議な感じです。
農大の名を冠したかつ丼
カウンター席に案内され、若い男性スタッフからお品書きをもらいました。
実は、入店する前からこのお店で注文しようと決めていた料理があります。
このお店の看板メニュー、”農大かつ丼”です。
噂によるとかなりボリュームがあるようです。
いざ、注文する時に日和ってしまい、ハーフサイズにするか迷いました。
『やれるとは言えない。けど、やるしかないんだ。』
これを注文しなければ、ここに来た意味がありません。
清水の舞台から飛び降りるつもりで、レギュラーサイズをオーダー。
ちなみに、農大かつ丼に付く汁物は、豚汁とお吸い物の2種類から選べます。
今回は豚汁をチョイスしました。
私が入店したすぐ後から、お客さんの来店ラッシュ!
席があれよあれよと埋まっていきます。
後からカウンターに座ったお客さんが、「農大かつ丼、ご飯少なめで」と注文。
『そんな注文方法もあったんだ、早く言ってよ〜』
そして、遂にやってきた…
農大かつ丼!
写真で伝えられないのが残念ですが、丼がズッシリと重いです。
昭和の面影を残す古き良きかつ丼
ある程度予想はしていたものの、そのボリューム感に圧倒されました。
たっぷりのご飯の上に、分厚いかつが”ドーン”と乗っています。
『ええぃ、農大のかつ丼は化け物か?』
いざ食べ始めると、豚バラ肉のかつはロースやヒレとは違った食感と風味です。
『ウマい! それに何だかすごく懐かしいぞ』
そういえば、子どもの頃に食べたご馳走のかつ丼はこんな味でした。
残されなければ?
ところが、半分ぐらい食べたところで、苦しくなってきてペースダウン。
あくまでも個人的な感覚ですが、一般的なかつ丼の2倍ぐらいはありそう。
『しょ、少佐、量が違います。あの量を自分は見ていません。』
『残さなければどうということはない』
脳内で繰り広げられる、ひとりスレンダーとシャア。
こうなったら多少時間がかかるのは仕方がない。
『3倍じゃないので、どうにかなるだろう。』
ひと呼吸おいてから、完食目指してラストスパート!
激闘に幕が
それから、しばらく経って農大かつ丼との激闘に決着がつきました。
結果は、ギリギリ完食!
最後は決して食べ物を残さないという”意地”だけで、何とか食べ切りました。
それにしても、実に手強い相手でした。
普通って何だろう?
お会計をしてくれたのは女将さん。
思いきって「すごい量ですね」と話しかけてみました。
「そうですか? 普通だと思いますよ。」
!?
『いや〜、たぶん普通じゃないと思いますよ。』
と、思わず漏れそうになった心の声。
う〜ん、若い学生ならこのぐらいはペロリと食べてしまうのかな?
確かに、自分が若い頃は朝飯前だったかもしれない…
『認めたくないものだな、自分自身の加齢ゆえの衰えというものを。』
それに、”普通”って難しい…
いろいろと勉強させていただきました。
と言うことで、この農大かつ丼が普通なのか、そうじゃないのか?
ぜひお店に行って、ご自身の目と胃袋で確かめてみてください。
それでは、また次回の【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】でお会いしましょう!
【店舗情報】
店 名:とんかつ 天ぷら 山之内
住 所:〒156-0054 東京都世田谷区桜丘3-1-2
電 話:03-3428-3297
時 間:ランチ 11:30〜14:30 ディナー 17:00〜21:00
※営業時間は変更になることがあります
定休日:水・木曜日
※2024年10月30日現在