上町の門外不出の肉まん【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第9話】
上町の門外不出の肉まん【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第9話】
東京の世田谷で介護の仕事をしている清水です。
【世田谷の介護ヘルパーのグルメ 第9話】は、日本語教師として台湾に赴任したオーナーが、現地で食べたその味に惚れ込み、三顧の礼を尽くして修行の許しを得たという”門外不出の肉包(ローパオ)”をお届けします。
さて、今回の介護情報のテーマは、高齢者に起こりやすい”転倒・転落事故”について書いてみたいと思います。
高齢者の3大事故
高齢者の方に特に発生しやすいとされる事故は、おもに以下の3種類です。
① 転倒・転落
② 誤嚥・窒息
③ ヒートショック
その3大事故の中で、最も多く見聞きするのが転倒・転落です。
高齢になるにつれて、足腰の筋力や平衡感覚は自然と低下していきます。
その結果、身体のバランスを保てずに体勢を崩して転倒や転落をしてしまうのです。
高齢者の転倒によるリスク
高齢者の転倒は重傷化しやすくとても危険です。
その理由は、身体機能が低下しており、とっさの受け身が取りにくいこと。
また、筋肉量が減り、骨も弱くなっているため、転倒時に骨折しやすいのです。
転倒、骨折して寝たきりとなってしまい、そのまま認知機能まで落ちてしまう…
そんなケースがとても多いのです。
ちなみに、転落と言うと、例えば階段やハシゴ、屋根などの高いところからの落下をイメージするかもしれません。
しかし、椅子から立ちあがろうとして、そのまま落ちてしまうことも”転落事故”に該当します。
意外と身近なところに危険が潜んでいるのです。
転倒や転落を防ぐには
転倒や転落を防ぐための方策は、おもに2つあります。
1つは、高齢者の身体機能を向上、維持、もしくは低下を抑制するための運動やリハビリを実施する。
もう1つは、転倒や転落を予防するために”環境を整える”ことです。
前者は中・長期的な視点での対策である一方、後者の対策は即効性が期待できます。
身体機能を向上・維持させるためには、運動は不可欠です。
運動は、ご本人様のモチベーションに大きく左右されるため、目的や効果を事前にしっかりと伝える必要があります。
また、環境を整える例としては、
・段差をなくす(スロープにする)
・手すりをつける
・床に物を置かない
・電源コードを養生する
・足元をランプで照らす
などがあります。
どちらか一方ではなく、身体面と環境面の両面からアプローチすることが、転倒・転落対策に有効と考えています。
以上、今回は高齢者の3大事故の中から”転倒と転落”についてお伝えしました。
さて、ここからは本編のグルメ記事に移ります。
今回ご紹介するお店は、東急世田谷線の上町駅から徒歩2分ほどの場所にある【手作り台湾肉包 鹿港(ルーガン)】です。
小腹が空いた…
この日は自転車でケアマネさんがいる居宅をまわって営業活動をしていました。
自転車は自動車と違って、ガソリン等の燃料は要りません。
でも、動力は”人力”なので、ずっと漕ぎ続けていればお腹が減ってきます。
そう言えば、今朝は時間がなくて朝食を抜いていたのを忘れていました。
『腹が減った…何か食べよう』
その時にパッと思いついたのが、ヘルパーの同僚に以前教えてもらった鹿港さん。
なんでも”門外不出の味”らしく、そういうフレーズにちょっと弱いんです。
『活動限界になる前に、お店に辿り着かなくては…』
最後の力を振り絞って、自転車を世田谷線の上町駅方面に走らせます。
ア〜チッチッ、ア〜チッ!
『確かこの辺だったよなぁ…』
世田谷通り沿いにある鹿港さんは、角地と赤い看板で視認性が高いので、すぐに場所がわかりました。
この時点では先客はおらず行列はなし。
じっくりとメニューを見てから、肉まんとあんまんを1つずつ注文しました。
「熱いのと冷たいの、どっちがいいですか?」
それはまぁ、”お熱いのが好き”です。
「はい、どうぞ」
と、渡された白い包みを持ってみると、
『アチ〜!』
ホカホカではなくアツアツ、いや檄アツでした。
自転車でどこか適当な場所に移動して食べようと思っていたところで、店頭に小さなベンチがあるのに気付きました。
「ここで食べてもいいですか?」
OKがもらえたので、ベンチに腰掛けて実食タイムへ。
ふくらむ妄想
最初は肉まんから。
皮はフカフカなのにしっかりとした弾力もあって、まるでパンのようです。
『こんなベッドなら良く眠れそうだ…』
子どもみたいな妄想がふくらみます。
中に入っている餡は、とても香り高い風味がします。
思ったよりも軽い味わいで、2、3個ぐらいならペロリと食べられそうです。
あの天才軍師が発明した饅頭
鹿港さんでは具が入っていない中華風蒸しパンの”饅頭(まんとう)”も販売しています。
饅頭は、三国志に登場する天才軍師の諸葛亮孔明が発明したと言われています。
※諸説あります
孔明が率いる軍勢が南方の遠征から本国に帰還する途中、瀘水(ろすい)という河が氾濫し渡れなくなってしまいました。
地元民によると、その地域では河の氾濫は荒れ狂った神の仕業であり、治めるために49人の首を生贄として捧げる慣わしがあるそうです。
これを聞いた孔明は、悪しき慣習をやめさせるためのアイデアを考えます。
それが、小麦をこねて生地を作り、そこに牛と羊の肉を入れて人の頭の形に整えた”饅頭”です。
私は小学生の時に三国志にハマり、当時読み漁った横山光輝さんの漫画でこのエピソードを知りました。
大好きな登場人物が、好物の肉まんを発明したことに感動すら覚えました。
挙動不審!?
肉まんを食べ終わる頃には、お店の前に行列が出来ていました。
いつの間にか5組も並んでいます。
次のあんまんを食べる前に写真をパシャパシャと撮っていたら、目の前で母親と一緒に並んでいた女の子と目が合いました。
『イカン、恥ずかしい…』
照れ隠しに目を丸くしてみたら、女の子はニッコリと笑ってくれました。
優しい女の子と甘い餡でほっこりして、エネルギー全開!
さぁ、次の目的地に向けて元気に出発です。
それでは、また次回の【世田谷の介護ヘルパーのグルメ】でお会いしましょう!
【店舗情報】
店 名:手作り台湾肉包 鹿港
住 所:〒154-0017 東京都世田谷区世田谷3-1-12
電 話:03-5799-3031
時 間:9:00〜 ※売り切れ次第終了
定休日:木曜日・第2・4水曜日 ※7・8月は毎週水・木曜日休み
※2024年10月23日現在